
オレはとにかく、子供のころから友達タイプで安心されやすく、人がいいように見られるから、正直得をしている。
イケメンじゃないからモテないとか、身長が高くないからダメとか、そんなことを言っているやつは、オレの話を聞いてほしい。
ちょっとしたきっかけ次第で、見た目がイマイチなオレのようなタイプの男も、いい女を愛人にすることが可能だ。
オレの仕事は料理人で、豊田市の高校を卒業して就職してから、一年間イタリアで修行していた。
その時、イタリア人から培った口説き技が、今のオレを形成していると言って過言ではない(笑)
ヤツらは口説きのプロだ。
まったくカッコよくないイタリア人というのも存在するが、ヤツらはまったく気にしていない。
自然体でボディタッチしながら、極めて積極的にいい女に突撃していく、オレは目からウロコが落ちた。
自分はイケメンじゃないからモテないと、決めてかかっていた人生はなんだったのかと。
口説けばいいんだよ、口説けば。
落ちる女は落ちるし、落ない女は落ない、それだけのこと。
全てはやってみてからの話だ。
帰国してからは、忙しく、とにかく女と知り合うヒマがない。
厨房は男ばかりだし、修行中の身で、アルバイトの女にちょっかいかけたらクビになる。
そんなきっかけで、出会い系サイトをやり始めた。
最初はとにかく、オレも仕事が大変で、愚痴ったりお酒を飲みに行く相手がほしかった。
メールで悩み相談を聞いてやったり、女の子の友達や、オレの同級生も誘って合コンのようなこともした。
とにかくオレは人あたりがいいから、最初は割と「都合のいい人」みたいにされて。
「優しくて、愚痴をきいてくれて、おごってくれて、あとは誰かカッコイイ男友達でも私に紹介してくれないかしら」
なんて思われているのがひしひし伝わって来た。
イタリアに行く前のオレだったら、多分そこでヘコんでいたと思う。
そして、道化に徹したというか、「オレはいい人キャラなんだから、その期待に応えなきゃ」みたいな、おかしな使命感で、女の子を口説きもしなかっただろうと思う。
しかし、オレのまぶたを閉じれば、そこには女を口説くイタリア男の勇姿が刻まれている。
ヤツらに続け!オレ!
そんなわけで、長いことメール交換もしている女の子を口説こうと思ったが、よく考えてみると、オレの仕事は不規則なシフト制だし、付き合うのは時間的にムリだ。
デートしたりする關係じゃなくて、ズバリ、愛人にしたい。
都合のいい時に、セックスする相手にしたい。
そう思った。
そして、メールで「今度また、合コンしよう。その打ち合わせに焼肉行かない?」と誘った。
もちろん、目的は合コンではなく、その夜セックスすること。
そしてもう、ただひたすら飲ませ、酔い潰した。
そしてホテルに連れ込んで、セックスした。
偉そうなことを言っておいて、口説きワザもないもんだが、最初はこんなもんだ。
まずは自分が一線を越えることが大事なんだ。
そして、ここからが大事なのだが、やったあとに十分すぎるほどのアフターフォローをした。
もろ、イタリア男のやり方を真似て、「キレイだったよ、かわいいよ、たまらなかったんだ、もう一度抱きたい」など、日本人はとても言わない甘い言葉で酔わせる。
すごくいいオンナ扱いしてやる。
しかし、愛人なんだから、実際は都合のいい時に呼び出して、抱くだけ。
それでも、オレの扱いが心地いいらしくて、喜んで呼び出されてくるんだよなぁ。
イケメンじゃない男も、自分で自分の限界を決めないで、どんどんいい女を口説いていってほしい。