
オレは普通の会社員なのだが、実はナイショの副業で愛人の斡旋をしている。
仕事は営業で、取引先の社長との付き合いも多い。
ストレスの多い毎日で、札幌市などへの出張も多く、一夜のデートの相手を探すために出会い系サイトを始めた。
オレはもともと営業なので、女の子と打ち解けるのも得意。
ほんの数回のメールのやりとりで、待ち合わせして、すぐに、宿泊先のビジネスホテルに連れ込んで、セックスして、そのあといろいろ話し込むことも多かった。
オレが人あたりがいいのもあるが、女の子も、たいていオレと同じような我慢や、不安を毎日に抱えているから、セックスしたあとの、余計なプライドもない状態だと、妙にお互い素直になって、普段は人にしないような話もしてしまう。
身近な相手じゃないから、口止めも不要だ。
我慢や不安と言ったが、それはほとんどが金の心配で、どんなに一生懸命働いても、稼げる金はほぼ決まっている。
今のペースで、結婚資金は貯められるのか、子供ができたらやっていけるのか、漠然とした不安が、頭から消えることはない。
複数の相手とセックスして、話し込んだが、最後は結局「愛もほしいけど、お金もほしいよね」ってところに落ち着く。
それは、男のオレにとっても切実だ。
そんな時、ふとひらめいた。
オレの仕事上の付き合いの中で、愛人をほしがっている男はいないか、もしいれば、女の子を紹介してやればいいんじゃないかと。
だけど、女の子たちの顔が目に浮かんだ。
オレが彼女たちを安心出来るよう、マネージメントしてやろうと、そう思った。
オレのやり方は、最初から「愛人募集」をかけるのではなく、もともとそうしていたように、出張の際にデートの相手を探す。
そうして、オレ自身がまず寝てみて、女の子に安心感を与える。
そして、しばらくメールのやりとりや、友達のような付き合いをして、女の子の相談役のようになる。
そして、頃合をみて
「愛人の女の子を探している社長がいるんだけど、○○ちゃん会ってみない?」
と、持ちかける。
それまでに信頼関係はつくってあるので「会うだけなら、とりあえず」と、たいていすんなり進む。
そして愛人契約が成立するが、關係がはじまったあとも、スムーズに続くように、相談役としての役目は果たし続ける。
時には、女の子のグチを聞きながら、セックスすることもある。
女の子の心理的なメンテナンスを怠ると、大きなトラブルに発展して、オレの普段の信用にも関わるのだから、気を使って使いすぎるということはない。
出会い系サイトを利用して、副業をするのは可能だ。
ただ、しっかりとリスク管理は自己責任で行うというつもりで、オレはこれからもやっていきたい。